落ち着いて、と言っても無理なのだろうが

3号機の爆発も、起きたことは1号機の爆発と同じ。

1号機に比べて施設が大きい分、建屋もそれだけ大きかったので、中に溜まった水素も多くて、爆発もそれだけ大きくなっただけ。

中に溜まった気体の量の割には、爆発後に放射線量の上昇が見られないことは、建屋内に漏れ出た気体に、放射性物質がそれほど含まれていなかったことを示している。

原子炉格納容器の機能は維持されている。
原子炉格納容器が維持されている以上、これが最悪の事態に進むことを意味するものではない。

チェルノブイリのような事故を心配する人が多いが、チェルノブイリと今回とでは、起きている中身が違う。
チェルノブイリでは特殊な実験を行おうとして、制御棒を入れていなかったのに対し、福島の原発はどれも制御棒は入っている。
これだけでも、チェルノブイリのような暴走が起こり、それによって爆発が生じる可能性は格段に低くなる。

多分、チェルノブイリと結びつける人は、原子炉の構造がどうなっているか、チェルノブイリで何が起こったかを、よく知らないのだろう。


だから、チェルノブイリのような、最悪の事態に結びつく可能性は低い。

だが、東京や神奈川にいる人まで、チェルノブイリを思い浮かべて心配しているようなので、あえて言ってみる。

チェルノブイリのようなことが起こる可能性は低いが、仮に起こったとして、原子炉内の放射性物質が拡散したとしても、放射線を心配するのは、余裕を持って考えても、せいぜい水戸以北でいいだろう。

チェルノブイリの時の避難範囲は半径30km。
これだと、福島県からも出ない。

もちろんこれでは心配が残るから、もっと余裕を見て、半径100km見たとしても、水戸まで到達しない。
風向・風速にもよるが、仮に原子炉から放射性物質が大量に放出されたとしても、水戸に到達するまでに相当程度希釈されると思われる。

東京・神奈川は、ここからさらに100km以上、福島原発からは200km以上ある。
放射性物質はさらに希釈されるだろう。

あと気になるのは降下物だが、200km以上先に落ちる降下物を心配して、さらに西に逃げたとしても、どれだけ違いがあるんだと思う。

そもそも、東京や神奈川なんてビルが多いわけだが、コンクリートは木よりも多くの放射線を出している。
工場から出る排ガスだって、原子力施設のように放射性物質を計っていないから意識しないだけで、キチンと計れば放射性物質が出ているかもしれない。
そもそも、普通の人間の体だって、7000ベクレルの放射能がある。

内部被曝が心配されるが、 今この時だって、この日記を書いている私も、この日記を読んでいるあなたも、内部被曝しているのだ(もちろん外部被曝もしている)。

今まで散々、放射線の多そうなところにいたのに、今になって放射線が心配だから逃げるというのだろうか。

まあそれもいいだろう。
西へ逃げれば、地盤の関係で、場所によっては東京にいたときより2割〜4割くらい、自然界から受ける放射線が増える。
それではと、海外を目指して飛行機に乗れば、それだけ宇宙からの放射線を多く浴びる。
しかし、そこまでして東京に居たくない、福島原発放射線を浴びるくらいなら、地盤や宇宙からの放射線を浴びたいと云うのであれば、それもいいかもしれない。

まぁいずれにせよ、原発から200km以上離れているにも関わらず、さらにそこから逃げるだけの意味があるのかどうか、私には分からないが。


いずれにせよ、東京・神奈川の人間は、危機に直面していない。
物資も切迫している訳ではない。

一方、東北や茨城などの被災地では、今まさに物資が不足している。
東京や神奈川の人間が、安心したいからと言う理由で物資を買い集めれば、今まさに不足している被災地にも、物資が行き渡りにくくなる。

安心したいからという理由で物資を買い集めれば、全体の物資供給能力に負担をかける。

危機に直面している訳でもないのに、東京・神奈川の人間が騒ぐのはどうか。
余計に事態を悪化させる。