予防的措置だと思うけどね

なぜ予防的措置と思うかというと、原子炉格納容器内の圧力が、上がっていないから。

参考までに、ここ10日間の、1号機の原子炉格納容器の圧力を示しておく。
(数値は、朝の数値)
ちなみに、設計圧力は、400キロパスカル

3月28日 270キロパスカル
3月29日 285キロパスカル
3月30日 235キロパスカル
3月31日 210キロパスカル
4月1日 170キロパスカル
4月2日 160キロパスカル
4月3日 155キロパスカル
4月4日 155キロパスカル
4月5日 150キロパスカル
4月6日 150キロパスカル


ということで、数値としては、むしろ下降傾向の後、大きな変動は無い。

ちなみに、前回1号機で水素爆発が発生したときは、格納容器圧力の異常上昇が起きている(600キロパスカル)。


というわけで、今回の窒素注入は、予防的な措置ではないかと思うんだけど。


ニュースを読んだ反応の中には、「水素爆発防止のための窒素注入」と聞いて、もう爆発がそこまで迫っているのか、と心配している声もあるようだけど、


上に示したようなわけで、私としては、冷却機能が回復しないなか、今後も注水ポンプからの注水冷却を継続するための、予防的な措置ではないかと思うけどねぇ。


冷却機能が回復すれば、一気に冷却されて、水素の発生を心配する必要も無くなるんだけど、注水ポンプからの注水冷却では、確かに水素が発生する懸念がある。

ただし、水素爆発が起こるには、水素が発生するだけではなく、水素と酸素が一定の比率で混じり合うとかの条件が必要だから、必ずしも水素が発生したから爆発、というわけでもないんだけど。


まぁただ、今後もしばらくは注水冷却を続けなければならないし、それだと水素発生の懸念は残るから、事前に窒素を入れておく、という予防的措置では無いかと思うけどね。


それに、窒素注入するのとしないのとでは、爆発の恐れが違ってくるんだから、入れないよりかは入れておいた方がいいんじゃないのかな。

私としては、格納容器の圧力上昇も見られないような現時点では、これはむしろ安全側に考えてもいいような情報ではないかと思うんだけれど。