ついでだから水道水の内部被曝線量も計算してみた

今回、水道水1リットルから検出された、放射性核種とその最大値。
(Bq=ベクレル)

ヨウ素  77Bq/リットル(栃木県)
セシウム 1.6Bq/リットル(栃木県)

ヨウ素セシウムは、それぞれ代表的な核種のヨウ素131、セシウム137として計算する。


経口摂取の場合の、ヨウ素セシウムの内部被ばく換算係数
ヨウ素  2.2×10^(-8)Sv/Bq
セシウム 1.3×10^(-8)Sv/Bq

なお、線量の積分期間は、成人の一般公衆が摂取してから50年。

今回の、水道水1リットルを飲んだ場合の内部被曝線量。

ヨウ素  77Bq×2.2×10^(-8)Sv=0.000001694Sv=0.001694mSv
セシウム 1.6Bq×1.3×10^(-8)Sv=0.0000000208Sv=0.000021mSv


これらは、防災計画に定められる内部被ばくに関する避難基準、100mSvに比べ、充分低い。

ちなみに、東京都の1.5Bqについても同様に計算すると、
ヨウ素  1.5Bq×2.2×10^(-8)Sv=0.000000033Sv=0.000033mSv


ところで、原発事故など無くても、何も無くても、食品には放射性物質が含まれている。
例えば、ビール500mlには5ベクレル、牛乳200mlには10ベクレルのカリウム40が含まれている。
参考までにこれらについても計算しておくと、

ビール500ml 5Bq×6.2×10^(-9)Sv=0.000000031Sv=0.000031mSv
牛乳200ml 10Bq×6.2×10^(-9)Sv=0.000000062Sv=0.000062mSv

となり、東京の水道水1リットル飲んだときの被曝量は、ビール500ml飲んだときと同等、牛乳200ml飲んだときの半分、と評価することが出来る。

ちなみに、高いと思うかも知れない、栃木県の水道水についてだが、人間は、通常の時でも、食品から1年間で0.29mSvの内部被ばくを受けている。
これは、現時点の栃木県の水道水、171リットル分に相当する。
この水道水の数字も現時点の数値であって、今後も継続するかどうかは分からないことには留意が必要だろう。

ちなみに、人間が自然界から受けている被曝量は食品からだけに留まらず、平均で年間2.4mSv、地域によっては10mSvを超える。
これに加え、飛行機に乗る、CTスキャンを受ける、有馬温泉につかる、などの事情があれば、それだけプラスされる。


あと、この記事は誤解を招く書き方だと思う。

>厚生労働省は19日、都道府県に対し、国の基準値を超えた場合の対応について、〈1〉代わりの飲用水がない場合を除き、飲用を控える〈2〉シャワーや風呂などの生活用水としての利用には問題ない――と通知した。

これは「国の基準値を超えた場合の対応」であって、現時点ではどこも超えていない。
誤解を招く表現なので、注意した方がいいだろう。